「使い方」が違う履歴書と職務経歴書

いずれも経歴や志望動機などのよく似た内容を書きますが、履歴書と職務経歴書は「使い方」が異なります。
履歴書は、のちに人事が保管するものです。内定後に、人事の業務に必要な情報として使用します。意外なことに、企業においては選考にはあまり関係がない書類といえます。ただし、履歴書がしっかり書かれていないと印象が良くないので、手抜きは厳禁です。
一方、職務経歴書は選考に使うものです。書類選考はこの書類を見て行われます。したがって、書類選考通過のためには、職務経歴書が十分に書けている必要があります。その後の面接も、職務経歴書を見て行われることが多いでしょう。

「伝えるもの」が違う履歴書と職務経歴書

履歴書と職務経歴書では、書かれている内容が同じでも伝えたいことが違うため、書き方が異なります。
履歴書が伝えるのは、基本的な情報です。必要なことが過不足なく書かれていることが大切です。内容にこだわるよりも、読みやすく作成することがより重要といえます。
職務経歴書は仕事の能力をプレゼンテーションするもので、やる気やスキルを最大限アピールするべき書類です。そのため、具体的な数字を使って成果や実績を示すなど、より詳細な内容を伝えます。いかにその企業に貢献できるかをこれまでの経歴から訴えることができるように、とことんこだわって作成します。見やすいレイアウトや専門用語を多用しない分かりやすい文章を心がけるなど、相手が読みやすいようにすることも、もちろん重要なポイントです。

重複する職歴については職務経歴書で詳しく書く

履歴書も職務経歴書も、職歴を書く欄があり重複しています。どのように書き分けるかを悩むこともあるでしょう。履歴書は、勤務先とその期間がわかれば問題ありません。
職務経歴書は、具体的な仕事内容などをわかりやすくまとめ、これらの経験が応募する企業・職種に役立つはずだというのが伝わることが大切です。
そのため、履歴書はどの企業宛でも同じ書き方で構いませんが、職務経歴書は応募先ごとに変える必要がでてきます。応募する職種や企業の求める人材に合わせて、アピールの仕方が変わってくるためです。面接官がいちばんしっかり読む書類で、これを元に面接が進むといっても過言ではありません。職務経歴書は履歴書と異なり、ただ経歴を羅列するだけでは不十分といえるでしょう。

履歴書には何を書いたらいいのか

「履歴書」は様々な種類が販売されていますが、書く項目はどのフォーマットでもほぼ同じです。

履歴書の項目

  • 住所・氏名等の個人情報
  • 学歴・職歴
  • 趣味・特技
  • 志望動機・自己PR

採用担当者が履歴書から知りたいのは、学歴や職歴、転職回数、採用後の通勤に関する情報等、応募者に関する大まかな情報になります。

職務経歴書には何を書いたらいいのか

「職務経歴書」はフォーマットの指定がなく、経験してきた職務を時系列に並べても経験職種によって順番を入替るのも自由で企業に対する「プレゼン資料」ともいえます。

職務経歴書に書くべき項目

・職務(経歴)要約

主にどのような職務を経験してきたのかを4、5行でまとめた文を最初に記載します。
複数の職種を経験している場合は、採用予定の職種に今までの経験が役に立つというアピール材料になるように記載します。

・職務経歴(勤務先名 勤務先の情報 在籍年月)

過去に勤務してきた会社の正式名称、入社と退社の年月、事業内容(製造業、サービス業など)年商、従業員数、本社所在地、設立年を記入します。
採用担当者は今まで勤務してきた会社の規模、事業内容を元に、自社にマッチする人材かも確認することがあります。
有名企業以外では社名だけでは把握できない部分ですので、正確に記載しておく必要があります。

・所属部署・役職

どんな会社で仕事をしてきたかに加えて、どういった部署で、どのようなポジションで仕事をしてきたかが採用の判断材料になります。
例えば、総務人事部 人事課 採用係であれば以下の様に書きます。

例)総務人事部長━人事課長━採用係 係長★━メンバー3名

上記の書き方であれば、部署内3名のマネージメント経験があることが一目で分ります。

・実績

最も採用担当者に細かく読まれる部分になります。業務を行ってきた中での成果や経験値を可能な限り数字で記入していきます。
営業職であれば、年間売上金額、品質に関わる部署であれば「クレーム件数30%削減に成功」という形で書きます。

・資格・スキル

履歴書にも資格を書く欄がありますが、資格とともに、その資格がどのように業務遂行上プラスになるのかを記載します。
TOEICのスコアであれば「TPOEIC 900点 ビジネスメールのやり取り、商談時の通訳まで可能」という形でなにができるかまで記載する方がのぞましいです。

・志望動機

こちらも履歴書にも記入欄がありますが、ここまで書いてきた職務経歴書の内容と採用予定の職務内容とが関連しているかを含めて、改めてアピールします。

まとめ

履歴書と職務経歴書は、作成の目的も使用する場面も、内容で重視すべきことも、何もかもが違うといってもよいでしょう。この違いを知っていれば、履歴書が丁寧に作成されていなければならないことや、職務経歴書の完成度が選考結果を大きく左右することが理解できるはずです。大切なポイントを押さえて履歴書と職務経歴書を作成し、書類選考突破を目指しましょう!