20代平均年収ズバリ296万円

平成26年の国税庁調査では、20代の平均年収は296万円という結果になりました。
20代は新入社員から係長クラスまでの幅広い仕事があるので、年収の差も広くなっているのが特徴です。
そのため20代前半と後半で区切ってみると、かなりの差が生じています。

20代前半:248万円
20代後半:344万円

このデータは、税金や社会保険料など一切引かれていない数字なので、手取りはこの数字の2割減になるでしょう。

男女の差がある20代の平均年収

次に男女の平均年収の差を見ていきましょう。
細かく見るために、それぞれ20代の前半と後半の平均年収を出しています。

【男性】
20代前半:265万円
20代後半:378万円
20代平均:321万円
【女性】
20代前半:231万円
20代後半:297万円
20代平均:264万円

これを見ると、20代平均年収は男女間で約60万円(男性平均321万円-女性平均264万円=57万円)の開きであることがわかります。
女性の平均年収が低い原因の一つとしては、女性の方が非正規雇用で働く人が多いという事があげられ、内閣府の出している「平成27年版 子ども・若者白書(全体版)」では、25~34歳における非正規雇用者の割合は男性で約17%、女性で約42%という結果が出ています。
また、それ以外でも平均年収の水準値が低い事務系や、アシスタント職種における就職率が高いことも男女間の開きに関わっているようです。

その他にも女性は結婚や出産などを機に職種変更が必要になってくるので、男女間の差が大きくなってしまう原因となっていますが、近年ではこの状況が少しずつ変わってきており、女性の活躍の場が多くなって管理職なども積極的に採用される企業が増えてきています。
また、正規社員で働く女性をもっと増やしていこうという考えのもと、所得税や配偶者控除の撤廃などが議論されているので、今後女性の労働環境によっては男女間の平均年収の差も狭くなってくるのではないかと考えられます。

20代の平均年収は業種によっても違う

では、20代の中で最も平均年収が高いのはどの業種なのでしょうか。
平成27年厚生労働省による賃金構造基本統計調査を元に男女別に平均年収の高い業種ベスト3を見てみましょう。
※年収は賃金構造基本統計調査の月収を12倍して算出

【男性】
◆第1位 金融業、保険業
20代前半:267万円
20代後半:342万円
◆第2位 情報通信業
20代前半:269万円
20代後半:324万円
◆第3位 教育、学習支援業
20代前半:262万円
20代後半:319万円
【女性】
◆第1位 情報通信業
20代前半:264万円
20代後半:306万円
◆第2位 学術研究、専門・技術サービス業
20代前半:250万円
20代後半:293万円
◆第3位 教育、学習支援業
20代前半:243万円
20代後半:282万円

男性では金融保険業が一番平均年収が高く、女性は情報通信業が高いという結果が出ています。尚、男性1位の金融保険業は女性の場合5位となっています。
男性、女性を比較した際の一番の違いは、どの業種においても20代前半ではそれほど差がないのに対して、20代後半になると男女の平均年収ではっきりとした差があるという事です。これは前項でもあったように、女性の結婚や出産に際して、職場を離れる機会が男性よりも多いため、昇給率等に差が出てしまっている事が一つの要因として考えられます。

まとめ

転職するにあたり平均年収を知っておくことは、決して損ではありません。
しかし、仕事のやりがいなどは人それぞれなので年収だけで企業を選ぶことはあまり適切ではないと言えます。
企業の待遇など基本的なデータを知っておけば、一般的な目安としてヒントにはなります。
20代は、年収よりも転職することで経験を積みあげることができたり、スキルアップにつながる世代です。
先々の収入だけでなく、60歳になってからも稼ぐことができる優秀な人材になるために何を身につけるべきか自分の市場価値も併せて考えてみましょう。